え、こんな小さな白い根っこで、こんなに嬉しくなる?
農業って、毎日が小さな事件です。
今日は金髪のイエロークリエイター、2年ぶりに「金のなる木」の挿し木に挑戦しました。
こんにちは。
新潟県五泉市で農業をしている、稲餅ふぁーむ7代目です。
金髪で、黄色が好きで、ちょっと目立つ見た目をしておりますが、中身はだいたい土と水と植物のことを考えている50代です。
たまにグランツーリスモ7で爆走したくなりますが、現実では軽トラ安全運転です。
さて、今日の主役は、れんこんでも、お米でも、えごまでも、オクラでも、レモンでもありません。
今日の主役は、こちら。
金のなる木です。
名前がいいですよね。
「金のなる木」。
もう、名前だけで縁起がいい。
ただし、念のため言っておきます。
今のところ、我が家の金のなる木から一万円札が生えてきたことはありません。
もし生えてきたら、たぶん農作業どころではありません。毎朝、鉢の前で正座します。
でもね。
お金はならなくても、この木には不思議な魅力があります。
ぷっくりした葉っぱ。
つやつやした緑。
見ているだけで、なんだか元気をもらえる。
農業をしていると、植物は「収穫するもの」として見ることが多くなります。
れんこんなら掘る。
米なら刈る。
オクラなら採る。
えごまなら実を落とさないように気をつける。
でも、この金のなる木は、ただ眺めているだけでもいい。
急がなくていい。
売上とか、収量とか、サイズとか、そういう数字から少し離れて、ただ「育ってるなぁ」と思える存在です。
今回、農作業の合間に、2年ぶりに挿し木に挑戦しました。
まずは元気そうな枝を選びます。
葉っぱがぷっくりしていて、茎もしっかりしている枝。
そして、チョッキン。
この瞬間、毎回ちょっと緊張します。
「ごめんね、でも増えてくれよ」っていう気持ち。
農家なのに、枝を切るだけで少し心配になるんです。
見た目は金髪ですが、中身はけっこう心配性です。
切った枝は、水を張ったトレイへ。
写真のように、根っこが出るのを待ちます。

これがまた、すぐには出ないんですよね。
毎日見ても、昨日と同じ。
今日も同じ。
「ほんとに出るのか?」
「腐ってないか?」
「水、多すぎないか?」
「いや、そもそも自分のやり方合ってるのか?」
農業も家庭菜園も、だいたい心の中はこんな感じです。
表向きは落ち着いているように見えて、内心は植物に振り回されています。
そして約1か月後。
出ました。
白い根っこ。

小さい。
でも、ちゃんと生きている。
あの白い根を見た瞬間、なんとも言えない嬉しさがありました。
れんこんの芽を見つけたときにも似ています。
レモンの苗木に花が咲いたときにも似ています。
田んぼの苗がピンと立ったときにも似ています。
植物って、しゃべらないんです。
「金髪、今がんばって根っこ出してるよ」なんて言ってくれません。
でも、ある日ふっと結果を見せてくれる。
そこがたまらないんです。
今回の写真では、水の中から引き上げた小さな枝に、白い根っこがしっかり出ています。
この根っこを見ると、「あぁ、次の場所で生きる準備をしているんだな」と思います。
人間も似ていますよね。
すぐに結果が出ない時期があります。
がんばっているのに、何も変わっていないように見える日があります。
でも、水の中や土の中で、見えない根っこが伸びていることもある。
外からは分からないだけで、ちゃんと準備している時間ってあるんですよね。
私自身も、2020年3月11日に腎臓がんで左腎を摘出しました。
その話をすると少し重く聞こえるかもしれませんが、今は塩分を控えめにしながら、田んぼや畑で泥まみれになっています。
人生いろいろあります。
でも、今日も土の上で生きてます。
そして、植物に教えられることが本当に多いです。
根っこが出た枝は、家にあった余っている鉢に植え替えました。
いろんな色の鉢が並ぶと、それだけでちょっと楽しい。
茶色の鉢、黄色の鉢、緑の鉢、青い鉢、柄入りの鉢。
まるで金のなる木の保育園です。

写真を見ると、小さな苗たちがそれぞれの鉢に入って、これから新しい暮らしを始める感じがします。
なんだか入学式みたいです。
金髪のイエロークリエイター、ちょっと先生気分です。
ここで、家庭でも植物を育てる方に小さなヒントです。
金のなる木のような多肉植物は、葉っぱや茎に水をためる力があります。
だから、かわいいからといって水をあげすぎると、逆に弱ってしまうことがあります。
大事なのは、毎日水をあげることより、毎日見ること。
土が乾いているか。
葉っぱにハリがあるか。
茎がぐらついていないか。
日当たりは強すぎないか、弱すぎないか。
植物のお世話って、「何かをしてあげる」だけじゃなくて、「様子を見る」ことも大切なんですよね。
これは農業にも通じます。
稲餅ふぁーむでは、れんこん、米、えごま、オクラ、レモンなど、いろいろ挑戦しています。
ありがたいことに「五泉八代目レンコン」は野菜ソムリエサミットで金賞をいただきました。
でも、正直に言うと、毎日が完璧なわけではありません。
天気に悩む日もあります。
水の管理に迷う日もあります。
虫にびっくりする日もあります。
ビニールハウスが大風で破れる日もあります。
農業は、かっこいい日ばかりじゃありません。
むしろ、泥、汗、不安、失敗、そして腰の痛み。
このあたりがレギュラーメンバーです。
でも、その中に、今日みたいな小さな感動があります。
白い根っこが出た。
小さな葉っぱが開いた。
昨日より少し伸びた。
雨のあと、緑が濃くなった。
そういう瞬間があるから、また明日も畑に行けるんだと思います。
今回の金のなる木の挿し木も、ただの園芸作業かもしれません。
でも私にとっては、「育てるって、やっぱり面白いな」と思わせてくれる時間でした。
大きな農機具を動かす農作業もあれば、こうして小さな鉢をのぞきこむ時間もある。
どちらも同じ「育てる」です。
そして、育てるって、急げないんです。
焦っても、根っこは急に伸びません。
心配しすぎても、葉っぱは早く増えません。
できることをして、あとは待つ。
この「待つ力」みたいなものを、植物はいつも教えてくれます。
SNSの発信も、農業も、人生も同じかもしれません。
すぐに結果が出ない日があります。
投稿しても反応が少ない日があります。
やる気だけが空回りする日もあります。
でも、どこかで誰かが見てくれている。
どこかで小さな根っこが伸びている。
そう信じて、今日も五泉の田んぼや畑から発信しています。
稲餅ふぁーむは、小さな農家です。
7代目と8代目で、地域の農業を受け継ぎながら、加工品、直売、ふるさと納税、SNS発信にも挑戦しています。
挑戦、よかったら見守ってください。


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